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・・・つづき。
高校2年になり、T君に彼女が出来ました。
2つ年下のエクちゃん。(名前は忘れたけどみんなでそう呼んでた)
お付き合いといっても、行き帰り待ち合わせをしてたまに手をつなぐ程度のお付き合いだったらしい。
彼女・・中学生だったし、今とは時代が違うから。
当時、先輩の古着屋で放課後アルバイトしていた僕は、たまたまそのエクちゃんと知り合った。
雑誌「Olive」(懐かしい)の読者モデルに選ばれたからって言って当時流行ってたアメカジを伝授してあげていた。(エラそ~に)
今は元お相撲さんのお兄ちゃんの奥さん(まどろっこしい?)の後輩で、彼女に感化されて応募したらしい。
本当は、僕が付き合いたかった。
ユミちゃんにしたってエクちゃんにしたって何か僕は1テンポ遅れてる。っていうかモテなかったのか・・・
何故かたまたま遊びに来ていたTを気に入り、Tも得意の送りで付き合うことになったらしい。
しかし、所詮は中学生。
部活も忙しいし、彼女の中学は高級住宅地にある一環教育の有名校だったので、こっちが物怖じしたのかむこうから嫌気をさされたのか分からないけど自然消滅。
しかし彼はツイている。
僕らの高校は大学と同じところにあって、よく礼拝をサボって大学の学食や生協に遊びに行っていた。
その時生協のレジで働いていたのがマリさん。
僕ら思春期のバカばっかチームは、誰が一番最初に仲良くなれるかで賭けをした。
僕も足しげく通いました。
「こ~ら~、またサボり?」
なんて言われるくらいの仲にはなったけど、ある日彼女が突然消えて、僕らが落胆していると、ニヤニヤ紙袋を抱えて教室に入ってきたT。
マリさんは北海道の実家に帰っており、何故かそのお土産をTにだけ買ってきていた。
「なんで~?」
みんなで責め立てたが、T曰く、
「謙虚に攻めました。」
とのこと。
グループの中では一番興味なさそうにしていたTが、賭けに勝ってしまった。
T君は抜け目ない・・・
スケコマシ。
悔しいからみんなで寄って集って罵倒した。
結局Tの初体験はマリさんだった。
しかし、春が来たTにまた冬が来てしまった。
マリさんはそのTの一生の思い出だけを残して、消えてしまった。
大学生協のなんとなくえらそうなヤツにTは食って掛っていった。
「おまえら高校だろ、こんなところくんなよ。」
と一蹴されたと思いきや、
「君がT君?」
と一通の手紙を渡してきた。
僕らは内容を聞くほど野暮ではない。
なんとなく、崩れ落ちるTを見て内容が理解できた。
その時のTの気持ちを考えると不謹慎だが、男の初体験としては羨ましいほどドラマティックなものだった。
そんな春が過ぎ、夏になり、成績優秀者はテネシーにある分校への留学の権利が与えられる時期となった。
Tは適当に成績が良かったので、その権利が与えられた。(オタク系との親交も深かったし)
しかし、彼は単独での英国留学を決心した。
っていっても2ヶ月だけど・・・
夏目漱石が好きな彼は夏目漱石が精神を病んだその地に行ってみたかったらしい。
単身渡英した彼はすぐにホームシックになり、今まで好きだった女の子全員に手紙を書いた。
すると、エクちゃんからヘンな絵と励ましの手紙が届いた。
2ヶ月という短期間でその文通は10通を超えた。
まあそれはそれで、彼の下宿先はイタリア人の女の子が2人一緒だったらしいが詳しい話は聞いていない。
帰国し、彼はすぐにエクちゃんに連絡を取った。
逢いたい一心で。
でも彼女の答えは、部活で忙しいからから始まり、彼氏に怒られるからで終わってしまった。
分からん。
中学生・・・
Tがエクちゃんに運命を感じていた時、一つ忘れていたことがあった。
ユミちゃんにもちゃんと手紙を送っていた。
帰国から一週間後、思いも寄らない人からTに電話があった。
ユミちゃんだった。
「元気?おかえりなさい。」
これこそ運命だった。
文化祭の時期、彼は運命の人を誘った。
文化祭と言っても男子校の癖にチケット制で一人5人しか招待できない。
頭がいいのに、要領の悪い彼は運命の人のほかにエクちゃん、塾の友達の女の子を誘っていた。
見事にトリプルブッキング。
僕がリョウちゃんを校門の所へ迎えに行くとそこにはユミちゃんもいた。
マズイ、いまTは塾の女の子と仲良く学校を抜け出してタバコを吸いに行っている。
そう、Tはマリさんにサヨウナラを言われたときからタバコを吸うようになってしまったのだ。
明らかにユミちゃんに対する背信。
タイミング悪くTは校門へ戻ってきてしまった。
タバコのにおいをプンプンさせて・・・
当時僕らの必須アイテムはフォーセブンイレブン。
柑橘系のその匂いがそのプンプンをかき消してくれるものと信じていた。
しかし彼は今それを持っていない。
怪訝そうなユミちゃん。
マイペースなリョウちゃん。
あ~あ、し~らない。
・・・つづく