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場所は東京西部の小さなアメリカ・・・
雑音の中、よぉ~く耳を澄ますと、なにやら親子の会話が聞こえてきました。
「ダディ軍曹、お願いがあるんだけどサー。」
「なんだい?マイキー、君からお願いなんて、一体何の風の吹き回しだい?」
「ここ日本で評判の『マッシュルーム・マウンテン』というチョコレートを食べてみたいんですけどサー。」
「ああ、あれか?あれならパパも好きだぞ!お安い御用だ!よし、基地内のスーパーに探しに行ってみるか。」
「ありがとう、ダディ軍曹・・・サー。」
基地内のスーパーにて・・・
「あれ?おかしいな・・・『マッシュルーム・マウンテン』が見つからないぞ!」
「それはおかしいよ!ダディ軍曹・・・サー。あれはすごく人気らしいよ・・・サー。」
「あのすみません・・・そこの治外法権スタッフの方・・・ここには『マッシュルーム・マウンテン』は置いてないのかい?」
「あいすみません・・・ただいまソルド・アウトとなっておりまして、来週まで入荷がありません。こちらならございますけど・・・」
「なになに・・・『バンブー・ヴィレッジ』か?どうする?マイキー・・・」
「やだよ!ダディ軍曹・・・サー。友達のジミーはマッシュルームのビスケットの部分がソルティでテイスティって言ってたんだ!サー。」
「分かったマイキー!そこまでいうならそこのフェンスを乗り越えて、あすこに見える『ファミマ・ジャパン』に行ってみよう。」
フェンスを乗り越えようとする親子・・・
「気をつけろ!マイキー・・・フェンス上部の鉄条網は危険だぞ!」
「分かってるよ!ダディ軍曹サー。」
「よぉし、次はマイキーの番だ。簡単なことだ!やってみなさい。」
「い、痛い!ダディ軍曹・・・思いっきりこの針金握っちゃった・・・サー。」
「気にするな、マイキー・・・後でちょっと舐めておけば大丈夫だ!」
「ダディ軍曹・・・血が止まらないよ・・・サー・・・少し黒い血が出てきたよサー・・・」
「大丈夫だ!マイキー。血なんて輸血すればいいんだ!そんなことより急げマイキー・・・監視が来るぞ!」
どうにかこうにか、『ファミマ・ジャパン』に到着・・・
「あったよ!ダディ軍曹・・・やった、サー。」
「よかったな?マイキー・・・一個でいいのか?パパ、マイキーのためならいくらでも買ってやるぞ!」
「大丈夫だよ!サー、そんなことよりも手が少し紫色に変わってるけど大丈夫かな?サー。」
「帰ったら、パパの血を輸血してやる・・・これで正真正銘『血の繋がった親子』だ!」
「ありがとう!ダディ軍曹サー。」
「マイキー・・・もういい加減『パパ』と呼んでくれないか?それはママに比べたらパパは10歳も年下さ!けど、パパもこうして早くマイキーの本当のパパになろうと頑張ってるんだ。」
「わかったよ!ダディ軍曹サー。」
「・・・それに、君は敬意を払って最後に『サー』を付けてくれているのかもしれないけど、なんかOKINAWAちっくでパパは嫌だな・・・ほら、一度『パパ』って言ってくれないか?ぢゃないとこれ買ってあげないぞ!」
「きたねぇ大人だなサー・・・分かったよ!サー・・・背に腹はかえられないもんサー。」
「さぁ、言ってごらん!」
「ファ・・・ファ・・・ファッ・・・ファッキン・ファザー・・・サンキュ・・・」
恥を捨てるきっかけはお酒であったり、窮地に立たされたり、何となくだったり・・・
あまり人前で恥ずかしくない僕は何となく恥をかきますが、ダメージレベルは低く、記憶さえ都合よく清清しい朝を迎えるのです。
2年ぶりに行ったバー・・・
都合よくバーと呼んでいますが、知らない女性がやってきてはお酒を注いでくれる処です。
けど、支払いはというと、CODで飲む払いだけなので、果たしてその女性たちは何が目的なのかいつも疑問に思うのですが、気にしていたらお酒が進まない・・・
2年ぶりに行っても座る席は店の入り口近くの隅っこ。
マスターも気を利かせてこの風通しのよいコートすら脱げない席に通してくれました。
催し物がフレキシブルでどうにかここまで我慢してきましたが、とりあえず安心して駆け込みます。
席に戻ると、友人と知らない女性がぎこちなく会話を楽しんでいました。
僕はそんなことも気にかけず、2年前のようにピアノの横にあるギターを抱えました。
知らない女性・・・記憶から消えていた女性といってよいのでしょう・・・
よく考えたら、2年前にここでピアノを弾いていた女性でした。
彼女も何となく思い出せない様子で、僕も敢えて思い出さなければいいなと、彼女の質問に対しヒントも与えることなくチューニングに励んでいました。
Emを爪弾いた瞬間、彼女は言いました。
「あ!サイモン&ガーファンクルの3人目・・・」
やっと思い出しました。
僕は恥ずかしくもないけど照れながら、
「思い出さなかったら死のうと思った。」
等と心にもないこと言い、その場は和みました。
そこから僕は、二人の会話にも交ざらずにひたすらアルペジオを繰り返す・・・
他の客がリクエストをすると、彼女はピアノを弾いた。
その時だけは、指を微妙に弦から離し、ミュートでその曲に合わせているフリをした。
暫くすると、僕の記憶にも辛うじて残っていた馴染みの客が『明日に架ける橋』をリクエストした。
一瞬緊張が走った・・・
誰に頼まれた訳でもないが、歌わなければいけない衝動に駆られた。
名前も思い出せないその女性がピアノを弾き、
「またやってしまうのね?」
といった目で僕を見た・・・それがリクエストというものだ!
歌いきった・・・歌詞も見ずに・・・ハチャメチャだ!!
たいして仲もよくない大人のまるで『MG5』な馴染みの客が僕に握手を求めてきた。
コレで一杯は得をするのだ。
僕の記憶はそこから薄れていく・・・
どうにか無事に家に着き、スタバ・コンビにヴァージョンを飲む頃にはスッカリ頭も冴えてきた。
突然電話が鳴る。
そこに同行した友人からだ。
「無事か?」
「問題ないよ!」
「あの店面白いな。」
「だろ?」
「記憶あるか?」
「あまり無いな・・・」
「おまえ・・・加藤夏希、好きだったけ?」
「何でだ?」
「あのピアノの女の子に『お前が加藤夏希だったらどんだけ僕は幸せか・・・』とか言ってたよ。」
・・・・・・・・・・
何でだ?
加藤夏希なんて最近の5本の指にも入ってないぞ。
潜在的に惹かれているのか?
テレビをつけたらCSにたまたま『ナッキーパンチ』が出ていた・・・
若干照れた。
結局、加藤夏希のイメージが強くて、またピアノ・ウーマンの顔を忘れた・・・
しつこいようだけど、↑ これ・・・
オリジナルです。
今、2つのサイトでオリジナル作品を売っていますが、
一個のサイトでNGが出ました。
どうやら、
あの『転がる石』を連想させるとのこと・・・
トレースもしないで一生懸命書いたんだけども、
やっぱりこれはまずいらしい。
歯なんか、妙に黄ばめたりしたけれども、
根本的に『べ~』がまずいらしい。
いろいろ調べたから特にダメという根拠もないけれども、
売ってくれるサイトが、『Sir ミック』にビビッちゃったんだから仕方がない・・・
けど、『CLUB T』の方では堂々と出てるんだけどね。
でも、
あんまり納得いってないんだよね。
『べ~』の位置が下過ぎて、きっと着たら『腹踊り』になってしまう。
これでは、文句を言ってくる筈の『ロン・ウッド』に申し訳が立たない。
そんな訳で、この週末英国のロックバンドにを敬意を込めて最高の『べ~』を作ります。
『キース』もびっくりな・・・
そしてまた買おう!
そして本物ライセンスのギャルソン『べ~』の上に重ね着してやろう!
なんて贅沢なんだ!!
興奮して『指がスティッキー』だぜぃ
ああ、3時過ぎてら・・・寝よ・・・
慎太郎という友人が遊びに来た。
慎太郎という友人は僕の中でも非常に影が薄い。
何故なら彼はいつもトミーと一緒にいるからだ。
僕はトミーと話しているのが好きだ。
トミーは毒舌家で、ジョークも非常に上手いのである。
慎太郎が喋ろうとしてもトミーが遮る。
「慎太郎、お前はツマラナイ奴なんだから黙ってろ!」
慎太郎は苦笑いをするが、幸せそうだった。
そんな奴が、
「逢わせたい人がいるから・・・」
と言って電話を掛けてきた。
そんな慎太郎の声すら思い出せないくらい慎太郎は影が薄い。
ピンポ~ン・・・
そんな慎太郎がやってきた。
「・・・あれ?トミーは・・・」
僕はそんな慎太郎に尋ねた。
「今日は置いてきた・・・」
なかなか玄関に入り込めない慎太郎がボソッと言った。
「大丈夫か?トミーなしで・・・」
僕は慎太郎を迎え入れながら、がっかりした声で言った。
「お邪魔します・・・」
慎太郎の後ろから女性の声がした。
「なんだよ!慎太郎・・・新しい技増えたのかよ。キモチワリ~な・・・」
慎太郎は困った顔で言った。
「違うんだよ、胃薬・・・君に逢わせたいたいと言っていたのは彼女のことなんだよ。」
すると、玄関ドアの後ろから人間の女性がひょこっと現れた。
「はじめまして・・・由梨香です。」
その人間の女性が言った。
どういうことだ・・・?
トミーがいないと話にならないぢゃんか!
リビングに彼らを通し、僕はとりあえずビールを出した。
乾杯をしようと缶を持ち上げようとしたら、慎太郎が口を開いた。
タイミングが悪いな・・・相変わらず。
「あのね、彼女と今度結婚するんだ!」
・・・お前今何言った?
由梨香という人間の女性も照れながら肯いた。
時間が固まっていくのをこのまま見過ごすわけにはいかないが、僕はまるで慎太郎のように喋るしかなかった・・・
「お、おめでとう・・・」
駄目だ!
僕は空気に飲まれてしまう。
このままだと、部屋中この緩すぎる空気で一杯になってしまう。
「飲みなよ・・・二人とも・・・で式はいつ?」
今度は由梨香という人間の女性が口を開いた。
うちに着てから約10分・・・やっと2回目だ。
「6月頃です・・・」
何?そっからは僕が膨らますの?
「ジューン・ブライドだね?」
僕はこんなベタな事しか言えなかった・・・
なんでトミー連れて来ないんだよ!
ほぼ黙った状態で、ほぼ同時に僕らは2本目のビールを開けた。
すると、突然由梨香という人間の女性が笑った・・・
なんだ、君・・・笑えたのか?
「あのですね、あたしトミーにプロポーズされたんですよ!」
まぁ、そうだろう・・・慎太郎がトミーなしでそんな大それたこと出来る訳がない。
彼女は急にスイッチが入った如く喋り始めた・・・
「でもね、しんちゃんって本当にトミーなしでは何も出来ないから、一週間前からトミーを封印してるのよ。」
大丈夫なのか?そんなことで・・・
僕は心配でたまらなかった。
けど言ってやった・・・
「ぢゃさ、トミーうちに置いとけよ!暫く預かってやるよ・・・」
慎太郎はいつになく強く言った。
「それは無理だよ!胃薬と二人ぢゃきっとトミーもつまらない奴になっちゃうよ!!」
言ってくれるぢゃねいか!?
今お前といるよりもよっぽど楽しいと思うが・・・
「で、頼みがあるんだけど・・・」
珍しいな、慎太郎から何かを頼まれるのは初めてだ。
「結婚式で友人代表の挨拶をして欲しいんだ!トミーと胃薬とで・・・」
ちょ、ちょ・・・
自分の結婚式を何だと思ってるんだ!
毒舌トミーと僕だぜ!
いい思い出だけぢゃすまないぞ!!
けど僕は快諾した。
それもまた良しだ。
人間の女性の由梨香はとても綺麗だった・・・
若干『沢尻エリカ』に似ていることが気になったが、うっかり好きになってしまうくらい綺麗だった・・・
その後、
僕らは大して盛り上がらない会話をし、その『沢尻由梨香』が案外酒癖が悪いと言う事実だけが救いだった。
「じゃぁ、トミーによろしくな!きっとぶっつけ本番だからトミーに会うのは当日でいいよ。」
僕はそう言って彼らを帰した・・・
トミーと僕は仲が良い。
けど、慎太郎の言うとおり、トミーと二人では何の話も出来ないだろう・・・
トミーは腹話術の人形なのだから・・・
マカロニの花
『咲くかな?今日は・・・』
無邪気に見つめるプランター
何を植えたの?
咲かないね
優しく僕は問掛ける
君は微笑みかえすだけ
作り笑顔が素敵だね
瞳の奥がぎこちない
くる日もくる日も咲かないから
ある日僕は考えた
何が植わっているのだろうと
君に内緒で掘ってみる
君がトイレのその隙に
あれこの筒はなんだろう?
マカロニだ!
土のついたマカロニだ
愛しい君へ
水を少しやりすぎだね
土の中ではアルデンテ
今日も君は見つめてる
無邪気に見つめるプランター
『咲くかな?今日は・・・』
咲くといいけど咲かないね
咲けばいいのに咲かないよ
咲かせてみたい
マカロニの花・・・
僕は君に気付かれぬよう
今食べたみかんの種を
そっと土に埋めるのさ
これは1992年、22歳の若さで突然のこの世を去った『橘カヅヲ』が、晩年残した詩篇『海のふた』から抜粋した一篇である。
この詩篇の中には彼の代表作である 『猫の三秒間』や『玉艶の頃』などもあるが、なんといってもこの詩が好きである。
ある事件が原因で精神破壊を起こしてしまう恋人・・・
彼女を毎晩のように見守る作者の優しさ・・・
それは苦悩ではなく、他のどの恋人達よりも幸せに見えた。
彼の献身的な優しさに恋人の病も快復の兆しを見せたかのように思われたが、ある日いつものように家に行くと彼女は冷たくなっていた・・・
彼も彼女を追うように、この世から姿を消した。
都会が生んだ悲劇の主人公達・・・
憎むべきものは沢山あるだろう。
現実を受け入れることがこんなにも困難だった二人だったが、こんな幸せな時間が垣間見られるこの詩が僕は好きだ。
僕の手にこの詩集がある限り、彼の魂は僕の中で生き続ける。
そしてマカロニサラダは僕の好物だ・・・
