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熱心になると焦げますよ・・・
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こよみ
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意外と更新してるのね?
トラック何とか・・・
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その日のディナータイムの仕込までの間、僕は田嶋と2日後の相談をした。
田嶋は同い年であったが、尊敬すべきオーナーでもあった。

快く、その日のメニューを考えてくれた。

「藤谷、その日はちょうど、菅原さんの予約が入ってたよな?あの方とは勿論席を離すんだろ?」

菅原というのは常連で、毎回連れ合いの女性が違う未だバブル全盛期な人間だ。

「いや、かえって好都合だね・・・彼らは隣同士に座ってもらう。」

僕はバケットをブランケットのソースにつけ、口にほうばった。



2日後、先ず現れたのは菅原ご一行様だった。
彼は今回3名での予約ということだった。
女性2人を引き連れた彼は、上機嫌に食前酒を頼んだ。

僕はヴーヴ・クリコを丁重に開栓し、泡を楽しませた。

午後7時ちょうどに彼らは現れた。

「お待ちいたしておりました吉田様、こちらに席をご用意いたしました。どうぞ・・・」

ギャルソンが案内した席で一瞬隣の菅原を見て怪訝そうな表情を見せた彼女であったが、緊張しながらもエスコートする彼に促されて席に着いた。

「藤谷ぃ、今日は任せるからお勧めのワインもって来てくれ!」

菅原はもともと余り酒に強いほうではない。
今日はそれも好都合というもんだ。

久木田が吉田のテーブルに僕を案内する。

「こんばんは、吉田様、私が担当の藤谷です。」

吉田は安心した様子で、料理を注文した。
二人に同じメニューを渡したが、吉田のメニューにはラベルテープが張られていた。

「お二人で同じものを食べられても仕方がありませんので、今日はシェアできるようパーティメニューに致しました。」

吉田はラベルテープのシナリオ通りの注文をした。
そして、彼女は意外そうにその様子を伺っていた。

すると、もう酔っ払い始めていた菅原がボトルを半分残した状態で別のワインを注文してきた。

「なんか、このワインこの娘たちには合わないみたいだな?別のものを持ってきてくれ!」

先ず、残したワインは『シャトー・レオヴィル・ラスカーズ』1981年のものだ。
続いて僕は吉田の彼女の好きな『シャトー・コスデストゥルネル』を菅原に出した。
菅原はラベルを気にするタイプなので、デキャンティングを好まない。
ボトルからそれぞれ注ぐと、彼らは一口ずつ口にして後は会話を楽しむだけであった。

「菅原様、こちらの残ったワインはお持ち帰りになられますか?」

「別にいいよ!君たちで飲んでくれ!そろそろコーヒー貰えないかな?」

「ありがとうございます。ではデザートと共にお持ちいたします。」

菅原は大体1時間半で次の店に行く。
吉田のテーブルではまだメインが出ていない。

彼らのテーブルに本日のメイン、『桜鯛のグリエ』と『地鶏のポワレ』が運ばれるとき漸く白ワインが空になった。

嵐のように店を立ち去った菅原に少々戸惑い気味の二人であったが、ここからはゆっくりと彼らの時間を演出することにしよう。

「吉田様、実はお隣にいたお客様の残されたワインが2種類ございます。もしよろしければ、お二人にお味見をして頂き、正解されたら当店よりプレゼントをご用意させいて頂きますが、挑戦なされますか?」

その問いに対し、吉田よりも彼女のほうが興味を持ったようだ。

「ではこの3つのグラスの中で一つだけ違う地域のワインがございます。それを当ててください。」

用意したのは先ほど菅原が残した『シャトー・レオヴィル・ラスカーズ』と『シャトー・コスデストゥルネル』そして僕が寝酒に用意していた『コルナス』だった。

「吉田様にお出ししてはすぐに分かってしまうと思いますので、お連れの方にお願いします。」

彼女がワイン好きであること、コスデストゥルネルを好んでいたことを考えると、これは簡単な問題だ。

「あ!美味しい、これはボルドーのワインね?・・・なにかこちらは香辛料の味がする・・・明らかにこれは違うわ!最後のこれは・・・この味知ってる!分かった!!」

彼女はシラー種の『コルナス』を見事に言い当てた。

「素晴らしい!正解です。後ほどプレゼントをご用意いたします。失礼かと思いますが、これらのワインを飲まれますか?勿論他のお客様には内緒です。ただし『コルナス』は私のナイトキャップなので差し上げられませんが・・・」

僕はそういうと二人に菅原の半分以上残したワインボトルを差し出した。

「え?これ・・・1981年のもの?私の生まれた年だ!しかもこれ大好き!」

彼女は二つの銘柄が共に1981年製であること、そしてお気に入りの『シャトー・コスデストゥルネル』であることに興奮していた。

「本当は残りものみたいで恐縮ですが、我々もお客様の残されたワインは有難く頂いております。その際に『Bless You』と言いながら飲むのですが、これはお裾分けです。吉田様、特別ですよ!」


カーヴに入り、彼らへのプレゼントを棚から取り出した。

『カロン・セギュール1981』

どうやらギャルソンの情報では吉田はその間、彼女にプロポーズをしたらしい。
酔っての勢いかは別として、彼女も快諾したらしい・・・
僕は、ボトルに簡単なリボンをつけた。
ハートのマークのラベルは二人の今を象徴していた。
見事クイズに正解した彼女にそのワインを手渡しながら、

「いつまでも吉田様の『カロン』でありますように・・・」

そう言い足した。


閉店後、田嶋は僕に言った。

「あの『カロン』はお前の自腹な!」

仕方がない。
僕はこの店に来る人たちのストーリーが一番の好物なんだ。

そして、別のお客様の残した『エシェゾー』を飲み干した・・・


本日もご来店ありがとうございました。
またのお越しを心からお待ちしております。
そして、新たなストーリーをお待ちしております。
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いらっしゃいませ。

本日も夕陽丘駅前通りビストロ『フルール・ド・ラ・メール』にご来店頂き、誠にありがとうございます。
初めての方に、簡単ではございますが当店の紹介をさせていただきます。
当店は、パリの有名な三ツ星レストランの代表的シェフ、フィリップ・ドワノーの下で修業を積んだ田嶋恒がオーナーシェフとして、日本人のお口に合うようなフランス家庭料理をご提供させて頂いております。
季節の旬を取り入れた創作の数々は、フランス料理の基本を損なう事無く、老若男女問わずお気軽にお召し上がり頂けるよう、リーズナブルなコースをご用意致しております。
中でもワインは充実しており、地下のカーヴには絶えず200種以上の銘柄を揃えており、厳重な管理の下、様々な料理とのマリアージュがお楽しみ頂けるかと思います。
はい?
私ですか?
申し遅れました。
私はそのワインを全て管理させて頂いている当店のチーフ・ソムリエ、藤谷直哉と申します。

本日、当店の料理とワインの魔法にかかっていただくお客様は・・・
先ほどから落ち着かない様子で店内を見回している、20代半ばと思われる男性がいらっしゃいます。
お一人でランチを召し上がっている様子からすると、今後こちらに素敵な女性とお見えになるのではないでしょうか?
この方にはとても素敵なストーリーがご用意されていると思います。
では、彼に致しましょう・・・


「お料理のほうは如何でしたか?鴨のギャランティーヌは当店自慢の料理でして・・・」

緊張した様子の彼にそれとなく尋ねてみた。

「美味しいです。すごく!」

彼の目的はまだ達成されてはいないだろう。
それとなく解してゆくことにしよう。

「ワインのお代わりは如何でしょうか?ハウスワインの赤も2種類ご用意してございます。本日のお料理は少し重めかと思いますので、この後ボルドーのものをお召し上がりいただいては如何でしょうか?」

彼は、少し躊躇いながらも思い切った様子で僕に話しかけてきた。

「あのぅ・・・自分、ワインのことなんて何にも分からないんです。今度、彼女と一緒に食事をしようと思うのですが、こういう店はまるっきり駄目で・・・そうしたら先輩にとってもいい店があるからってこの店を紹介されたんです。」

推測では、その彼女とはとっても大事なディナーになるだろう。
ランチも間もなくラストオーダーになるし、腰をすえて付き合うことにしよう。

「もしかしたら、その先輩とは田中様ではないでしょうか?先日田中様が見えたとき、『今度、後輩が来るからよろしく』とおっしゃってました。」

「そう!その通りです。凄いな?先輩の言ったとおりだ!」

「と申しますと?」

「こちらのソムリエさんは、一度来たお客の名前をちゃんと覚えてるって・・・僕吉田と言います。今度、3年付き合った彼女にプロポーズをしようと思うんです。彼女とは大学時代の同級生なんですが、どうも結婚に対しては関心がないみたいで・・・でも、僕今度しばらく海外で仕事を任されることになったんです。出来れば彼女を連れて行きたくて・・・すみません、余計なことですよね?」

一目見たときから彼の誠実さは伝わってきていた。
ここは、私も一肌脱ぐとしよう。

「おめでとうございます、吉田様。では、その際当店でもシェフ自慢の料理をご提供させて頂きます。」

一度奥へ下がり、新しいワイングラスとボルドーのボトルをもってそれを彼に注いだ。

「ああ、美味しい・・・実は彼女、外資系のOLをしていて、いろんなイベントとかでワインを飲んだりするから結構詳しいんです。そうだ!ワインリスト見せてもらっていいですか?」

僕はワインリストを彼に手渡した。

「これ!こないだ彼女が美味しいって言ってたワインだ!うわぁ~高いな?」

彼が指差していたのは『シャトー・コスデストゥルネル』だった。
ちなみにヴィンテージは1981年、この店でも自慢のワインだ。

「こちらはボルドーでも当たり年のワインの上に今ちょうど飲み時の物です。美味しいものは他にも沢山ございますよ。」

彼は恥ずかしそうに言った。

「すみません。僕・・・あまり予算がないんです。給料三ヶ月とまではいかなくても、指輪も買ってしまったし、こんなワイン彼女にはご馳走できません。でもこれ、彼女の生まれた年だ。」

「大丈夫ですよ!ワインは値段ではありません。気持ちと一緒です。差し支えなければご予算を率直に仰って下さい。」

少し酔いも手伝って、彼は素直に言った。

「僕・・・この店では2万円が限界です。このワインだけでも2万以上するじゃないですか?とっても無理です。彼女とってもお酒強いし・・・」

うちのディナーは4,000円からのコースがある。
あと12,000円も予算があれば十分である。

「畏まりました。では吉田様・・・その時は必ずお予算以内でご提供させていただきます。ワインもお任せいただければ必ず満足頂けるかと思います。」

彼は安心した様子で、ディナーの予約を入れていった。
2日後、土曜日の7時からだ。
白いヨットの影
渚をすべり
海辺に近付くの
手を振るあなた♪

・・・・・・・・・

エクボの~♪


まだ小学生だったある日、兄の部屋のステレオからそんな曲が流れてきた。

プレップ・パンキッシュ・チャイルドな、42nd ロイヤル・ハイランダーな僕とは全く正反対な兄は粋な邦楽ばかり聴いていた。
しかし、ナイアガラ・レーベルや山下達郎を耳にすることはあったが、ディーバの歌声が彼のスピーカーから流れてくる事はほとんどなかった。

「どうしたぃ?お兄ちゃん!なんだ?この軽快なサウンドは・・・吉田美奈子かい?」

僕は思わず兄の部屋に飛び込み聞いてみた。

「おお!T君・・・部屋にこもってハンダとコテばかり弄ってないで、たまにはテレビを見てみなよ。この曲、CMで流れてるよ。」

兄はそう言ってドーナツ盤のジャケットを大事そうに渡した。

松田聖子・・・

ふ~ん・・・
可愛いけど、『さっちん』程ぢゃないな。

そう思いながら兄の部屋を出て、キッチンへと階段を降りていった。

「お母さん・・・お兄ちゃん、なんだか変なレコード聴いてたよ!思春期かな?」

チクるつもりはなかったが、僕は母に訴えた。

「T君、松田聖子も知らないの?お兄ちゃんにしては珍しくアイドルを好きになっちゃったみたいなのよ!あなたも変な音楽ばかり聴いてないで、好きなアイドルの一人や二人いなくちゃ駄目よ!」

そうか?
アイドルか?

素直な僕はその日からアイドル探しの旅に出ることとなった。

松田聖子はその年の新人賞を総舐めにして、云わずと知れたビッグ・アイドルになった。

兄は初めの頃こそ、発売日に新曲を買っていたが、何故か『天使のウィンク』以降『瑠璃色の地球』までは僕が買ってたっけ・・・
別にファンでもないのに・・・

『民さんは野菊のような人だ!』

『何よ!まさおさん、エロいわね!変な想像しないでよ!この毬栗頭!!!』


中学に入ってもなかなか僕の『アイドル探しの旅』は終わらなかった。

途中、好きになりかけたアイドルはいたが、そこに本当の偶像を見い出すことは出来なかった。

教室でも自分のアイドル自慢が頻繁に行われるようになってくると、鉛筆をくわえてキースの物真似をしている僕も多少の危機感を感じるようになってきた。

当時は菊池桃子が一番だったらしい。

けど僕にはあの目尻がどうも気に食わなかった。

そんなある日、何気無くテレビを見ていたら・・・

いたんだ!

なんだ?その視点の合わない瞳は・・・
なんだ?その幸薄そうな笑顔は・・・
でも、気になる。

僕の旅に終止符を打ってくれた人は、

『岡田有希子』・・・

とはいっても、『僕はこのアイドルのファンです。』ということを、どうやってアピールするかも分からず、貯めた小遣いでレコードを買ったり、学校で下敷代わりに使っていたクリアケースに彼女の写真を控え目に入れておくくらいだった。

僕の部屋から彼女の声が聴こえるようになると、母も安心したらしく、たまにヨーカ堂で彼女のグッズを買ってきてくれた。

まぁ、飽きっぽいのはこの世に生を受けてから備わっている僕の本質なもんで、ましてや恋愛の対象にもならない女子をいつまでも未練がましく思い続けることほど無駄だと思っていた僕は、同情というか惰性でレコードを買う程度になっていた。
(上から目線ですみません。)

盛り上がった当初、同じく彼女のファンと言っていた友人を、強引にファンクラブに誘ったが、結局僕は入会せず、彼一人積極的な活動をするハメになっていたっけ・・・


高校の入学式の日、家に帰るとテレビの前で泣いている母親の姿があった。

彼女の涙の理由は、ワイドショーでとりあげていたある出来事だった。

それはかつて僕がファンであったアイドルの投身の話題。

「お母さん、僕はとことん彼女のファンにはなりきれなかったけど、人の死は辛いものだね?」

僕は知ったような口をきき、母の肩を軽く叩き、自分の部屋に上がっていった。
そしてクローゼットの天袋にダンボール箱でしまったままの彼女のレコードを取り出し、ターンテーブルに乗せた。
夕飯までの数時間、僕は彼女の歌声を聴きながら何も考えずジッとしていた。


なんだかな?
彼女をはじめて見た時、儚い何かを感じてた。
だから好きになった訳ぢゃないし、なんていうんだろうな?
そう、普通の女子だった。

死んでしまった人をどうこう言っても仕方がない。

今更、ご冥福をお祈りいたします。


で今、僕が気になるのは『蒼井優』・・・

ゆ う き な え に に て る き が す る


『民さんは野菊のような人だ!』

『べぇ、何言ってんの?ダセェぢゃん!あたしは薔薇よ!真っ赤な薔薇・・・まさおさん、ガラスの靴もくれないぢゃない!!!』

それ以外
桜も満開です。

けど上の写真はビルから見た夕日です。

本当は桜の花のベストショットを狙いながら、昼間仕事をしたフリをしていたんだけど、見る見る天候が悪化し、結局シャッターを押す事はなかった。

トイレに行こうとショッピングセンターの屋上に車を停めた時、スチールメッシュフェンスの間から撮った写真・・・

春はやっぱりデジカメを持って歩こう。

勿体無い気がする・・・


花曇りのち晴れ

雲が早いね?
もうじき雨だ

おひさまは
厚い雲の帯に
見え隠れ

昼間二人で歩くのは
何ヵ月ぶりかな?

こんな天気でも
散る花びらを浴び
はしゃぐ僕

さっきから
口を間一文に閉じ
黙ってうつ向き歩く君

チョイチョイ

袖の肘に抵抗を感じる

振り向くと
君は自分の唇を指差す

キスしてほしいの?

おもいきり首を横に振る君

べー

君のベロの上には
一枚の桜の花びら

悪戯っ子の微笑み

唾液で湿った花びらを
僕の頬にペタリ

そして一言

エンガチョー!

優しい陽の光が
僕のハートに射し込んだ

橘カヅヲ著
『恋ルーティン』より


事の発端は後輩から、 

「胃薬さんに会いたいって人がいるんですけど、今度伺っても良いですか?」 

という一本の電話からだった。

「何?そいつ・・・先が短いの?それとも死に急いでるの?」 

まぁ珍しい人もいるものだと感心していたら、僕のそんな気持ちを遮る先輩思いの後輩・・・ 

「その娘ショップのバイイングしてるんですけど、あの得体の知れないデザインに異常に興味を持ったみたいで、もしかしたらお店に置いてくれるかも・・・別にあんたに興味がある訳ぢゃないから・・・」 

それはやめたほうがいいね?僕だけがあれやってる分には良いけど、どこだか分かんないけどお店に置かれた日にゃ責任持てません。

 「自分で作るって言うなら教えてあげてもいいけど・・・あんなん簡単だよ。」

 そう、ポンっと素材集めて、ポンっとアップするだけなのだから・・・

 「まぁとりあえず会ってやってよ!そんでさ、その娘『大塚愛』に微妙に似てるんだけど、意識しちゃっててウケるのよ!喋り方も可笑しいし、胃薬さんの暇つぶしになるかもよ。」 

暇つぶしか・・・悪くない。・・・ってか、

 「お前さ、友達だろ?酷くないか?さっきから『嫌いオーラ』出まくってるんだけど・・・」

 こいつがまともな人間ならそんな娘連れてこないだろう。

明らかに遊んでいる。

 「お客さんなのよ!歳も近いから良く喋るんだけど、そんな好きぢゃないのよね・・・ここはあたしの顔を立てると思って、お願い!」 

まぁ既に出来上がってる話だと思い、僕は電話の向こうでOKサインを出した。

 「あ!さっきも言ったけど、『大塚愛』禁句ね!ほんっとウザくなるから・・・ちょ、待てよ!お前さん惚れるやも知れん・・・」 

そう言った後輩の後半部分を聞き流し電話を切った。



 仕方なく僕は散らかった部屋をかたし始めた。とりあえずコンコースを作り、そこまでのアプローチを作るだけのことなのだが・・・ 


ファンフィ~ン(インターホンの電池が無くなってきているらしい)


 ドアの向こうにはデカイ女と・・・微妙に『大塚愛』だ!

 僕の顔は明らかにニヤけている。
自分でも頬の緩み具合が分かる。 

「はずぃめましぃて・・・」 

は?
 なんとなく状況から言葉の意味を察したが、僕の第一声は、 

「大丈夫?」 

だった。

 もうとても抑えきれない僕の感情を察したデカイ後輩が、ズカズカと家の中に入ってきて、見えないところでヒザカックンをした。

 とりあえず、何点か僕の作品をピックアップしてきたらしく、商談を始めているのだが、僕は何かを堪えるのが精一杯で気のない返事をするばかりだった。

 「とにかく、僕のあれは趣味でやってるからお店に置かれても責任持てないし、パクッてもいいから自分でやったら・・・(ぐがぁ)」

 商談終了だ。
 さぁ飲みましょう!

 僕は冷蔵庫からとっておきのモノを出した。
 鋭く響く後輩は僕を睨みつけた。

 「あのさ・・・これ何て読むか知ってる?」

 目を覆う後輩・・・

 「馬鹿ぁにしぃないでくらさいよ!『カぁ~ズ』でしょ?」 

は?
アニメ部門?

 「そうそう!『クァーズ』(ぐはぁ)・・・あのさ『さくらんぼ』ないけど苺食べる?」 

くそぅ!もっと『大塚愛』の情報仕入れておくべきだった! 

彼女がトイレに行くと明らかに遊んでいる僕に後輩が言った。 

「超満喫してません?一応お客さんなんだからほどほどにしてね?」

 「お前こうなることは予想ついただろ?でもさ、あの娘、あれで店頭立ってるんでしょ?凄いな・・・」

 その『か~なんとか』のビールも尽きたんで、お土産に貰った『泡盛』を飲むことにした。

 「何で割ろうか?あ!そうだ!!いいモノがあるんだ。」 

同じくお土産に貰った『沖縄産濃縮還元柑橘系』・・・ 

「なんだっけ?沖縄のみかん・・・」

後輩が慌てて遮ろうとしたが、時既に遅し・・・ 

「あれれすよね?『シィ~カァ~サ~』、あたしぃだいすぅきれす。」 

う~ん文章にすると臨場感がなくなる・・・イントネーション込みで素晴らしい響きなのに・・・ 

「ぢゃその『シークヮーサー』で割ろうね?(むごぉ)」 

楽しい時はあっという間に過ぎるものです。
終電だったら間に合いません。

 
帰り際に玄関で家のインターホンをおもむろに押した。


 ファンフィ~ン 


「なんかさ、この音君みたいにキュートな響きだね?」 

無邪気に訳も分からず喜んでいる彼女を見て、ホッっと僕の目線にある肩を撫で下ろす後輩・・・ 

「じゃあね、『愛』ちゃんまた今度・・・」

 は?
後輩の顔が強張る。

 「そぉうなぁんれす!あたすぃよぉく似てるって言われるぅんれす!!」

 今度ばかりは僕もやり過ぎた。
ここから長い話が始まりそうな予感・・・

 「もう夜も遅いし、ここ集合住宅だから、その話また今度にしようね?」 

自分のケツは自分で拭こう。
 駒込愛 
アクセス数
僕の事・・・
HN:
ラスタ薬
年齢:
56
HP:
性別:
男性
誕生日:
1970/05/13
職業:
会シャイン
趣味:
パソコン苛め
自己紹介:
しまじろう?
お兄ちゃんなんだから、
はなちゃんにもドーナツ
わけてあげなさい!

え~やだよう!
発砲薬
・・・です。
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今何時ん?
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